入れ歯も悪くない
このところインプラント治療を中心にブログを書いていましたが入れ歯やブリッジが”良くない治療”ということは決してありません。どの治療もそうですが利点・欠点があります。
■インプラント治療における代表的な利点・欠点
(利点)噛む力が骨にダイレクトに加わるため入れ歯、ブリッジよりも咀嚼(かむ)機能は優れています。
(欠点)外科手術が必要
■入れ歯治療における代表的な利点・欠点
(利点)使用材料の制限はあるが健康保険が使える。
(欠点)入れ歯の維持・安定のため部分床義歯の場合は残った歯にバネをかけるなどして残った歯に負担がかかる。
■ブリッジ治療における代表的な利点・欠点
(利点)使用材料の制限はあるが健康保険が使える。
(欠点)抜けた歯の隣の歯を削って支えにするため残った歯に負担がかかる。
インプラントよりも入れ歯やブリッジが適している場合とは
健康保険が適用されないことは別としてインプラントよりも入れ歯のほうが適している場合があります。それでは、患者さんが強くインプラント治療を希望してもお断りしなければならないことについてご説明いたします。インプラント治療の技術や材料が進歩したことで、歯槽骨が細いとか少ないということでインプラントができないということはほとんどなくなりました。手術の回数は増えますが、骨が少ない場合には骨造成(GBR)もしく骨移植という手術を行えばインプラント体を植立することができるのでご安心ください。
お断りしなければならないのは免疫不全の方や1型糖尿の方、血液疾患の方です。これらはインプラント治療の禁忌症と言われています。免疫不全と1型糖尿病の方はインプラント体が骨と結合しないという不具合が起こる可能性が高いからです。また、糖尿病の方は歯周病や感染症のリスクも高いためインプラント周囲炎も起こしやすくなります。白血病や血友病などの血液疾患がある方は、出血を伴うインプラント手術は禁忌とされています。
骨粗しょう症の薬の注射を受けている方もインプラント手術や抜歯が骨壊死のリスクがありお断りしなければなりません。
このようにインプラント治療が受けられない場合には入れ歯やブリッジをお勧めしています。
インプラントに比較して入れ歯は噛み応えが良くないと言われますが、リスクを冒してまでインプラントをする必要はありません。